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4つの豪華な作品で

​ご挨拶させていただきます

公益財団法人北海道演劇財団

常務理事・芸術監督 斎藤 歩

 北海道演劇財団20年、シアターZOO15年という節目の年。4つの贅沢な舞台ばかりを用意して、演劇ならではの懐の深さを北海道にお届けできることになりました。この20年間、私が東京で、札幌で、お世話になった大先輩たちや大好きな後輩たち、数々の難攻不落の砦に立ち向かい続けた戦友たちが次々に札幌に来てくれるのです。

 柄本明さん・ベンガルさん・綾田俊樹さんが揃って舞台に立つ劇団東京乾電池の「ただの自転車屋」。

 東京から福士恵二さん・伊東潤くん・山田百次くんを迎え、札幌で今最も期待されている劇団主宰者でもある納谷真大くん(イレブン☆ナイン)・小佐部明広くん(劇団アトリエ)、そして主役のアンナには、札幌座のディレクターでもある櫻井幸絵(劇団千年王國)を配役し、私も出演してお送りするブレヒト劇「肝っ玉おっ母とその子どもたち」。

 弘前劇場で共演したこともある山田百次くんは「珈琲法要」という北海道を舞台にした作品も秋に携えて来てくれます。

 そして久し振りに東京から金沢碧さん、札幌から山野久治さん、中村寛子さんを迎え、さらに「いつか一緒にやろうよ」と話していた、20年以上前、80年代後半から90年代前半に札幌で同世代の劇団主宰者としてしのぎを削っていた増澤ノゾムくんとは、2006年に初演したチェーホフ劇「北緯43°のワーニャ」でようやく共演が実現します。

 私の長年の願いであった、北海道でのブレヒト劇の創作が出来るだけでも贅沢なのですが、10年ぶりのチェーホフ劇など、いずれも私が北海道で、東京で、演劇を続けてきて影響を受けたり、支えられたり、しのぎを削ったり、共に走り続けてきた俳優たち・演出家たちが札幌に集まってくれて実現するものばかりです。


 この春から20歳になった北海道演劇財団を引き継ぎました。

 北海道での仕事を人生の後半にさしかかった私の生活の真ん中に持って来る決意をし、札幌に移住したばかりで、いきなりこのような豪華なラインナップを用意することを北海道は許してくれました。このような贅沢な場所をここに作り上げ、何とか維持してきた数々の先輩たち、そしてこの場所を支え続けてくださった数多くの北海道の皆さんに「本当にありがとうございます」と頭を垂れ、これからの私に課せられた数々のミッションに怖じ気づき、更なるご支援、ご協力をお願いするばかりなのです。

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